|
神戸紅茶(株)に世界中から何千と送られてくるサンプルの茶葉は、すべてテイスティングするだけでも膨大な作業。今では、奥野さんの技術を受け継ぐ米山さんと共同でするようになりましたが、かつてはすべての準備と、テイスティングを1人で行っていました。
消費地のティーテイスターは、大量のサンプルを飲み、茶葉のクオリティを瞬時に判断し、カルカッタなどで行われているオークションでの競り価格を決めていかなくてはいけません。特に、クオリティーシーズンには膨大な茶葉のテイスティングに追われます。
さらに、産地の異なる茶葉をブレンドし、独自のブランドを作るには、膨大な茶葉の知識だけではなく、魅力的な味を生み出すイマジネーションが必要になります。
独自ブランドを開発できる、紅茶鑑定士は日本にもほんの数人しかいません。
奥野さんは、長年のテイスティングを通じて、日本の水、日本人の好みにあう紅茶のイメージがつかめてきました。そして神戸紅茶(株)より、幾つものブランドを販売するようになったのです。
奥野さんの手がけたブレンドティーは、現在、日本で1番の紅茶消費地である神戸の人々の厳しい舌に絶賛され、多くのファンがついています。
「紅茶は奥が深く、まだまだ本当の味を知らない人々がたくさんいます」と奥野さん。
奥野さんは紅茶教室やマナーハウスのセミナーなどで実演する機会も多く、テイスティングをはじめてされる人は、味のバリエーションに驚くと言います。
「そのような偏見のない意見に新しい紅茶を作るヒントが隠されているんです」と奥野さん。そのような意見がきっかけで商品開発が生まれたこともあるとか。
紅茶には、コーヒー党の方のように紅茶を倦厭していた人々をうならせる紅茶もあると言います。長年紅茶を愛好している人から、まだ紅茶のおいしさに気付いていない人にまで、神戸が生んだ紅茶鑑定士の技は、まだまだ進化していくようです。
|